院長先生

りゅうが以前、製薬会社で営業をしていたときの話です。

ある得意先でのこと。
そこはりゅうの会社の社長の同級生がやっている開業医でした。
新人でそこの担当になったりゅうは、そういうことだから、
おいしい得意先なんだろうとタカをくくっていました。

でも、すぐにそれが甘い考えだと分かりました。
そこでは、競合するライバル会社の製品を使っていました。
「なんでやねん」という気持ちでいっぱいでしたが、
気持ちを入れ替えて、コツコツと営業活動をしていました。

今考えると、ライバル会社の担当者に負けていただけ、
院長先生はフェアに判断されていたということで納得できますが。

やっといい感じになってきたと思っていた矢先、りゅうは入院してしまいました。
入院中は、これでまたふりだしに戻ってしまうなと思い、へこんでいました。

そんなこんなで退院後、初めて院長先生に会いに行ったときのこと。
先生の机の上に錠剤(ペンタサ・クローン病の薬)が置いてありました。
りゅうは見慣れていますから、何気なく「ペンタサですね。」と言ったら、
院長先生が「僕が飲んでる」と言われました。

「えっ!?」

りゅうはとてもびっくりして、院長先生を見ながらフリーズしてしまいました。
そんなりゅうを見る、院長先生のいたずらっ子のような優しい目は今でも忘れません。
そのまましばらく何も言わないまま、お互い目を合わせて笑っていました。

この時、院長先生との距離が一気に縮まるのがわかりました。
これ以後、ライバル会社にやられることは一切無くなりました。
確かに同じ病気ということもあったと思いますが、
それまでの頑張りも含めて考えてくれたんだと思っています。

後から聞くと、りゅうが入院している間にフォローしてくれていた前任者が、
りゅうが入院したこと、クローン病だということを院長先生に話していたということでした。

当時(約10年前)ですでに高齢だったけど、院長先生元気かなあ・・・。
遠方なのでなかなか会う機会もありませんが、
近くに行く機会があれば是非立ち寄ってみたいと思っています。

テーマ : クローン病 - ジャンル : 心と身体

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